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超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント(著)竹村 亞希子

随分と久しぶりになりましたが、今回ご紹介するのは竹村 亞希子著、『超訳・易経 自分らしく生きるためのヒント』です。この本は私がまだ東京で普通に働いていた時期によく読んでいた本で、確か渋谷の東急本店の丸善で購入した覚えがあります。

ちょうどその時期はなんとなく先が見えない時期というか、仕事にやりがいが見出せない時期でもあって自分がこのままでいいのだろうか、いつまでこんな時期が続くのだろうかと迷いがあった時期でした。そのときに新書コーナーでたまたま見かけて衝動的に購入しました。

もちろん、易経については前から多少の知識はありましたが、なんとなく難しいイメージがあって本格的に勉強してみようとは思わず、無意識的にかんたんな解説本を探していたのかもしれません。

こちらの本ではもちろん、膨大な易経の全ての内容を紹介しているわけではないのですが、易経の伝えようとしている重要なエッセンスが初学者にわかりやすく説明されています。

易経は一言でいうとその時、そして変化、兆しについての知恵を教えてくれるものです。1年にも春、夏、秋、冬があるように1日にも朝、昼、夜があり常に循環しながら地球が周っているように、我々の人生のサイクルも良い時期もあれば、苦しい時期も存在します。この常に変転する「時」を理解し、そのサイクルにうまく標準を合わせて生きるの重要性が易経から得られる知恵といえます。

著者の竹村先生は2011年3月11日の東日本大震災の例を挙げ、この地震が起きた時にとっさに浮かんだ卦が「天雷无妄」であったといいます。この卦は一言で言えば「流れのままに」ということを教えるものですが、それはつまり「こうしたい」、「ああしたい」という思いがあっても変な企てをせずに成り行きに身を任せること、これは思いがけない、災害、天災にあっても黙々とそれを受け入れその地を耕し続けることの重要さが書かれているのです。

この本の中でも言及されていますが、我々人間は科学の目を見張るようの進歩の中で自然界の全てを支配できる万能さを手に入れたように思っていたけれども、実際には自然災害の前には成す術もなかったこと、人間はあるがままにこうした現実も受け入れながら自然と共に生きていくことの重要性を天雷无妄の卦が教えていることを強調しています。

このような易経の知恵が自分の中に根付いていると、人生の中の重大な場面に直面した時により大きな観点から人生を俯瞰できるといいます。そして、そのために易経を学ぶ価値があるということです。

非常にわかりやすい観点でしかも例題も仕事や日常生活に非常に役立つように書かれています。私ももっと若い時に読んでおけばよかったと感じる名著です。ぜひご一読を!

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